第130回近畿救急医学研究会 会長
織田 順
(大阪大学大学院医学系研究科 救急医学 教授)
このたび、第130回近畿救急医学研究会の開催を担当いたします。伝統ある本研究会の運営に携われますことを、大変光栄に存じます。
近畿救急医学研究会は、日本救急医学会の地方会としての位置づけを持ちながらも、実は日本救急医学会の前身とも言える歴史ある研究会であり、第1回は昭和48年2月に大阪市森ノ宮で開催されました。日本救急医学会の第1回学術集会は同年11月の開催です。
現在、日本救急医学会では地方会の支部化について議論が進められておりますが、本研究会のように際立った歴史と独自の歩みを有する会においては、地方会の意義や、地域に根ざした研究会として果たすべき役割を改めて考える良い機会と感じております。
今回の研究会は、ちょうど大阪・関西万博の会期中の開催となります。そこでテーマを「ミャクミャクとつなげる救急医療」と題し、万博にちなみつつ、救急医療の継続と連携の重要性を表現いたしました。
2枠のシンポジウムでは、開催中の万博における医療体制の検討に加え、心肺蘇生からACP(人生会議)に至る救命の連続性をメディカルコントロール(MC)の視点から俯瞰いたします。さらに、パネルディスカッションでは、救急医療の「つながり」を支える人材育成と教育のあり方について議論いたします。
教育講演では、敗血症や栄養療法など、多職種が協働して学び、実践することにより予後の改善が期待されるテーマを取り上げました。なお、本研究会は救急科領域講習の単位認定(計2単位)を申請中です。あわせて、メディカルスタッフ部会や看護部会による企画にもぜひご注目ください。
全国学会の地方版としてではなく、地域の医療従事者が共に学び、刺激を受け、励まし合える場であることこそ、地方会の真の意義と考えております。教室員一同、実りある研究会となるよう準備を進めておりますので、ぜひ多くの皆さまに大阪大学コンベンションセンターにてお会いできますことを、心より楽しみにしております。