学会長 桑原 尚志
地方独立行政法人 岐阜県総合医療センター
理事長兼院長
このたび、第39回岐阜県病院協会医学会を岐阜市の長良川国際会議場にて開催させていただきますことを誠に光栄に存じます。偶然にも県立病院による開催が続いていますが、第37回県立多治見病院、第38回県立下呂温泉病院に続き、今回は岐阜県総合医療センターが開催させていただきます。まずは、本学会開催にあたり関係各位のご指導ご協力に心から御礼申し上げます。
例年は10月下旬以降の開催が多いですが、例年より早い10月の第一日曜日ですのでよろしくお願いいたします。COVID-19は5類移行されていますので、現地開催を予定しております。本学会の主な目的は、全職種が一堂に会し、変化が速い医療情勢の中で患者中心の医療をよりよくしていく道を模索することであり、また地域医療を支えていくために病院間の連携と親睦を深めることと心得ております。
昨今では少子高齢化が一層深刻となり「超少子高齢化時代」といってよい状況であり、対策は待ったなしです。高齢者への医療はこれまで以上に身体的にもコスト的にも時間的にも高齢者の負担が少ないことが求められます。様々な部門で低侵襲化が進み身体的負担が減ることでしょう。PFMにより、コスト的にも時間的にも患者負担を軽減できるだけでなく、入院から退院後までのQOLが大きく向上することでしょう。一方少子高齢化で人材不足となる医療現場にはDX化は不可欠の手段となるでしょう。さらに医療連携はトータルとして高齢者を支える地域医療には重要な要素です。以上の考えで本学会のテーマを「超少子高齢化時代にふさわしい医療 ―低侵襲医療・PFM・DX化・医療連携の現在と未来―」とさせていただきました。DX化については名古屋大学医学部附属病院メディカルITセンター長 白鳥義宗先生に、地域医療連携については産業医科大学医学部公衆衛生学教室教授 松田晋哉先生にご講演いただく予定です。低侵襲医療についてはランチョンセミナー等で情報提供とさせていただきます。PFMについてはシンポジウム形式でいくつかの病院とPFMの取り組みについて情報共有と意見交換を行いたいと考えております。
岐阜県総合医療センターとしまして、今年は3台の高精度放射線治療機器を中心とした新棟「南棟」がオープンした節目の年でもあります。これらの放射線治療機器は身体的にもコスト的にも時間的にも従来よりも患者の負担が少ない選択肢となり、高齢者のがん治療において力を発揮すると考えています。この意味では当センターは超少子高齢化時代に向けて大きなチャレンジを始めているところでございます。とは言え超少子高齢化時代の課題はこれだけで解決するものではなく、多岐にわたり多くの論点があり、避けて通ることのできない時代の荒波です。各病院においてどのように医療体制維持のための工夫をしているか、外来・病棟等の各現場でどのような取り組みをしているか等について情報共有し、皆様とともに時代の荒波を乗り越えたいと考えています。スタッフ一同心を込めて準備しておりますので、多くのご参加と演題応募いただきますことを期待してお待ちしております。