ご挨拶

まず、本年1月1日に発生した能登半島地震により被災されました皆様に心からお見舞い申し上げます。被災された地域の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

この度、日本発達障害学会第59回研究大会を國學院大學たまプラーザキャンパスで開催いたします。昨年5月、新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置づけが5類に移行し、それとともに私たちを取り巻く生活はコロナ前の日常風景に戻ってまいりました。本研究大会も今年は全面的に対面で実施する運びとなりました。皆様にお目にかかり、ひざを交えて意見交換をできる喜びを十分味わわせていただきたいと願っております。

さて、今回の研究テーマを「共生社会を目指して障害のある人の生涯発達を考える」といたしました。障害者権利条約が批准されてはや10年。一昨年には、障害者権利委員会の総括所見が公表され、インクルーシブな社会の形成に向けて我が国が取り組むべき課題が一層明確になりました。

自己の生活する地域において自立し社会参加すること、生涯において学びの機会が得られることは、障害のあるなしにかかわらずすべての人が求める権利であり豊かに生きるために必要不可欠なものであります。しかし、現実には、障害を理由に学びの機会が十分保障されていない現状があります。本大会においては、知的障害・発達障害のある人の生涯にわたる学びの場の在り方について検討したいと考えます。

今大会では、講演やシンポジウムに神奈川県・横浜市、東京多摩地区ゆかりの皆様にご登壇いただきます。当事者の皆様を交えてのディスカッションも予定されています。「やまゆり園」の障害者殺傷事件から8年、この神奈川の地で「共に生きる」社会づくりの歩みをこの機会に共有できれば幸いです。

日本発達障害学会第59回研究大会 実行委員長
髙橋 幸子(國學院大學人間開発学部)

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