第37回一般社団法人日本看護学校協議会学会開催にあたって
第37回一般社団法人日本看護学校協議会学会
学会長 原 祐一
社会医療法人原土井病院 副理事長
拝啓 初秋の候、皆様におかれましては益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。このたび、2025年8月7日、8日の2日間にわたり、福岡市にて第37回一般社団法人日本看護学校協議会学会を開催いたします。会場は九州大学医学系キャンパス内の「百年講堂」。この施設は、福岡市地下鉄直結で、福岡空港からわずか19分、博多駅から12分という大変アクセスに優れた場所にございます。これにより、全国各地から多くの方々にお越しいただけることを心より期待しております。
当協議会の使命は、看護師等養成施設の発展と向上を通じて、日本の保健・医療・福祉の進展、安全に寄与することにあります。そして、今回の学会では、特に今後大きな発展が期待される在宅医療に注目しております。かつて1960年代には、在宅での看取りが50%を超えておりましたが、その後の病院医療の発展と皆保険制度の普及により、現在では80%近い方が病院でその最期を迎えられています。この制度は、国民の健康水準向上に多大な貢献を果たしましたが、その一方で「自宅で療養を続けたい」、「自宅で最期を迎えたい」と望む方々がいることも忘れてはなりません。
そのようなニーズに応え、1990年代から在宅医療が進展し、2000年の介護保険制度の導入、2006年には在宅療養支援診療所の制度化など、在宅医療は急速に発展を遂げています。今や在宅医療は単なる医療行為にとどまらず、看護・介護を含む多職種が密接に連携する究極のチーム医療の場となっています。私は15年にわたり在宅医療に携わってまいりましたが、この連携の要となるのは、間違いなく看護師であると確信しています。在宅での生活を支える看護師の役割は今後ますます重要性を増していくでしょう。
また、高齢者施設での生活を送る方々も増加の一途をたどっており、そこでの看護師の役割も極めて大きなものです。看護はもはや病院や診療所の枠を超え、地域全体を巻き込んだケアの形へと変容しています。そこで、今回の学会のテーマとして「地域・在宅で活躍する看護師、それを支える看護教育」を掲げました。このテーマのもと、未来に活躍する看護学生を指導する教員の皆様にとって有益な情報や新たな視点を提供できるよう、精力的に準備を進めております。
学会当日は、多くの皆様と有意義な時間を共有できることを楽しみにしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。