ご挨拶
日本職業リハビリテーション学会の2025年度全国大会は「第52回兵庫大会」となります。兵庫大会の開催日は2025年8月22日(金)~23日(土)、会場は神戸市産業振興センター(神戸市中央区川崎町1-8-4)です。
皆様ご承知の通り、兵庫県神戸市を中心に、1995年1月17日、阪神・淡路大震災が発生しました。今年で、30年が経ちました。この節目に兵庫大会を開催できることは非常に意味のあることと考えております。と同時に、毎年のように日本各地で災害等が起き続けている状況を踏まえると、そのような環境におかれていることを通常の状態として捉え、今後の就労支援のあり方にも反映させていくことが求められているように考えます。
さて、兵庫大会のテーマは「インクルーシブな社会を目指すために~今一度、アセスメントの本質を問う~」としました。キーワードをもとに、紐解いてみたいと思います。
まず「インクルーシブ(inclusive)」についてです。現在、インクルーシブな社会の有り様が模索されています。2022年、国連障害者権利委員会の対日審査で指摘された課題と、日本国内における障害者雇用の推進状況を踏まえ、インクルーシブな労働環境への移行と展開について議論を深めたいと考えております。
根本的には、多様な存在としての個人がそれぞれの個性を尊重され、何らかの形で、その強みを活かしながら(活かし合いながら)、また弱みをカバーしながら(カバーし合いながら)、社会を構成する一員として生きがいの持てる存在となりえるか、といった問いになるかと思います。また、「何らかの形」でというのが、ポイントになります。それには、個人と環境との相互作用の結果として捉えて、個人と環境との相互作用における障壁の解決に向けた努力が必要となります。
次に「アセスメント(assessment)」です。前述したように、その障壁を関係性から捉えるための客観的な評価・査定が求められます。障害のある本人の能力としての強み・弱みといった特性やニーズ、価値観等を把握する「本人アセスメント」と、職場環境を適切に評価する「職場アセスメント」、その双方の関係調整によるジョブマッチングの重要性を再確認し、支援や環境調整のあり方を考えていきたいと思います。加えて、その関係性は固定ではなく、時間の経過とともに変化し、「現在の状態」での関係と「近い未来の状態」での関係、すなわち就労の選択時や定着時では異なることが想定されます。そのような意味からもアセスメントの本質を問いたいものです。
今回、対面による開催による会員の皆様の交流の機会を提供できるよう大会実行委員会で準備を進めております。多くの方々へのご参加を心よりお待ちしております。そして神戸の地でご一緒に考えていけることを楽しみにしております。
第52回兵庫大会 大会長 井澤 信三(国立大学法人 兵庫教育大学)