大会長 挨拶
文京学院大学 柄田 毅
日本臨床発達心理士会 第21回全国大会 埼玉大会を2025年8月23・24両日に大宮ソニックシティで行うことになりました。大会テーマは、「地域における発達と支援の連続性 つなぐ・つながる・つなげる」です。臨床発達心理士による支援は、人としての生涯にわたる発達、対象者その人の発達の連続性、そして、地域における生活や支援に関わるさまざまな連携が基本的な視座と言えます。これら発達的観点による実践を念頭に、今大会のテーマとしました。
人間の発達及びその支援に関する研究と実践は、長年の成果を基盤として新たな理論や枠組み、研究手法、指導プログラム等が出現し、併せて、社会的な事象や要請にも影響を受けていると思います。近年では、ICT等の科学技術・イノベーションに関する発展と普及を反映したSociety 5.0に関して、その未来社会像を「持続可能性と強靭性を備え、国民の安全と安心を確保するとともに、一人ひとりが多様な幸せ(well-being)を実現できる社会」(内閣府,第6期科学技術・イノベーション基本計画,令和3年3月26日閣議決定)としています。これからの地域社会における生活は、これまで以上に急速な変化や想定外の展開等が予想される一方、未来社会の目標にウェル・ビーイングを置いていることに注目したいと思います。この他、一般的な広がりがある持続可能な開発目標(SDGs)のうち、小さい数字の目標は人の生命や存在、教育等に関する内容を示しています。これら現代的事項を踏まえて、人間の発達とその支援は現在そして未来の社会においても基本的領域と考えます。その中心的な専門性として臨床発達心理士があり続け、支援等の実績を未来に継承(つなぐ)するために、会員個人による実践とそれによる示唆や英知を会員間で共有(つながる)して、支援対象となる人たちのウェル・ビーイングが実現するように取り組む(つなげる)ことが求められているように思います。このような願いを実現する機会及び場所として、この大会が機能することを期待しています。
今大会の会場は、JR線、新幹線など、たくさんの路線や人の集まる大宮駅が最寄り駅です。また、埼玉県の木はケヤキで、空に向かって扇型に広がることから、木陰に人が集まる木と言えます。これらになぞらえて、たくさんの皆様にお集まりいただくように準備しています。全国の皆様を、ここ埼玉でお待ちしています。
本務校からみたケヤキの木
理事長 挨拶
帝京大学 近藤 清美
第21回全国大会は、久々に首都圏で行います。学術的な学会とは異なり、臨床発達心理士会の全国大会は全国の支部を順番に回っていきます。全国大会は、私たちの職能を高める研修の場であるとともに、交流の場であり、実践研究の発表の場です。今回も、実践研究発表をポスター発表形式で行うという新しい試みを導入しました。臨床発達心理士会が一般社団法人として独立してから3年目、着実に職能団体としての機能を果たすべく進歩しているといえます。
世界的に政治情勢が刻々と変化し、様々なところで分断が生じています。わが国では物価高騰で生活苦にあえぐ人々が増えて、ますます生きづらい世の中になってきました。こうした中で、「誰もが人として尊重され、幸せに自分なりの発達を遂げる」ことの支援をする臨床発達心理士の役割が重要になってきました。その責務を全うするためにも、研鑽を積み、お互いから学ぶ全国大会は貴重な機会です。皆様がこぞって全国大会にご参集くださることを切に願うものです。
本大会の成功に向けて、大会長の柄田 毅先生を始めとして、埼玉支部の役員の皆さまには2年にわたり準備に奮闘してくださいました。心より感謝いたします。
全国大会運営委員会より
横浜国立大学 後藤 隆章
今回の埼玉大会では、大会テーマのキーワードでもある「つなぐ・つながる・つなげる」を重視し、士会会員の皆様が全国大会に参加したことをきっかけとして、会員同士との情報交換や交流を体験できるように内容を企画しました。参加者のみなさんにとって主体的な学びの場となるように、職能向上セミナーではグループワークやペアワーク、実践演習の機会を数多く設定し、臨床発達心理士として求められる臨床実践力の向上が図れるように工夫を図りました。さらに、参加者のニーズが高い会員同士の情報交換会も、前回に引き続き開催します。ぜひ、意見交流の機会を活用してください。
また、会員の日頃の臨床実践や活動とその成果を発表する新たな取り組みとして、臨床実践研究発表の中にポスター発表を新設しました。従来の口頭発表やシンポジウム形式での発表に加えて、発表者が聴衆と自由闊達に意見交換を行うことで新たな価値観や知見が創造され、地域での臨床発達支援活動の充実に寄与することができれば幸いです。