日本描画テスト・描画療法学会第34回大会

開催案内

会期 2025年9月20日(土)・21日(日)

2025年9月20日(土):認定描画療法士資格認定研修・ワークショップ
2025年9月21日(日):研究発表・事例検討,特別講演

会場 奈良教育大学
(〒630-8528 奈良市高畑町)
大会会長 市来 百合子
テーマ イメージに拓かれた世界につながる
大会運営 日本描画テスト・描画療法学会第34回大会運営委員会
〒630-8528 奈良県奈良市高畑町
奈良教育大学ESD・SDGsセンター 市来研究室内
E-mail:byoga34nara[at]gmail.com ※[at]を@に置き換えてください。

大会までのスケジュール

2025年4月上旬 開催案内発行・発送・大会HP開設
2025年5月22日 早期参加申し込み:ワークショップ・研究発表・事例検討の申し込み開始
2025年5月30日 研究発表・事例検討を希望する非学会員の発表者・連名発表者入会申し込み締め切り
2025年6月6日 研究発表・事例検討の申し込み締め切り(非学会員は入会申し込みとの同時申し込みも可)
2025年6月27日 発表者の発表要旨(抄録集原稿)締め切り
2025年7月23日 早期申し込みの締め切り
2025年7月25日 早期申し込み 参加費払い込みの締め切り
2025年8月5日 直前申し込み参加申し込み開始
2025年8月20日 直前申し込みの締め切り
2025年8月22日 直前申し込み 参加費払い込みの締め切り
(2025年8月21日以降の申し込みおよび参加費払い込みは学会2日目(9月21日(日)のみ)受付可)
2025年9月上旬 大会プログラム・抄録集および名札の発送(早期申込者・支払者)
2025年9月20日 ワークショップ,認定描画療法士研修会の当日参加の受付は不可
2025年9月21日 研究発表,事例検討,総会,特別講演の当日参加の受付は可
  (学会員全員に大会プログラム・抄録集を発送します。)

日程

日程

プログラム

1)認定描画療法士資格認定研修会:基礎コース(NK)/ワークショップ(W)

認定描画療法士資格認定研修会・基礎コース(NK)は認定描画療法士資格認定のための研修会ですが,どなたでもNKとワークショップ(W)を自由に組み合わせて受講できます。ただし資格取得を希望される方は,必ずNK①~NK⑤を受講してください。

認定描画療法士資格認定研修会:基礎コース(NK)

NK①:描画による支援の基礎と職業倫理

講師:鈴江毅(静岡大学名誉教授)
日時:2025年9月20日(土)10時~11時

【概要】
今日、心理療法の分野において、倫理的な問題は最重要課題の一つである。描画による支援の実践には、描画テストや描画療法などに関する専門的で膨大な知識や技能の習得が不可欠であるが、これらを活かす前提条件として高度な倫理観を備えている必要がある。本講義では描画などの芸術作品を用いる心理的支援の全体の枠組を示すとともに、インフォームド・コンセントや守秘義務などの職業倫理、ならびに研究方法や成果の公表などに係わる研究倫理に関する基本的事項を解説する。

NK②:心理アセスメントの基礎

講師:寺嶋繁典(関西大学)
日時:2025年9月20日(土)11時10分~12時10分

【概要】
心理アセスメントとは、面接、行動観察、心理検査などの方法を用いてクライエントをさまざまな視点からとらえ理解しようとすることで、心理支援や介入を行うにあたり、重要な役割を担っています。本研修では心理アセスメントにおける倫理的配慮、心理アセスメントの基本的な考え方、情報収集の方法などについて学びたいと思います。

NK③:心理面接の基礎

講師:片山はるみ(姫路大学)
日時:2025年9月20日(土)13時30分~14時30分

【概要】
心理面接とは、心理的な困難を解決しようとしている相談者とそれを支援する者との関係性の進展と終結の過程で、主に相談者の自己洞察と自己成長を促すための心理的空間であり、支援をする者の理論や技法に基づいた行為のことを意味します。この研修では、最も基本となる「傾聴」についてあらためて考え、自らの態度や技術を振り返る機会としたいと思います。

NK④:描画による心理アセスメントの基礎

講師:香川香(関西大学)
日時:2025年9月20日(土)14時40分~15時40分

【概要】
描画テストは、絵という非言語的な媒体を用いて、言葉では十分にあらわせない心の状態を捉えることができる貴重なツールです。臨床現場において、描画テストを活用して的確な心理アセスメントを行うためには、描画テストの適用範囲や、実施法、解釈法について習熟している必要があります。本講義では、描画テストの概要と実施および解釈における留意点について解説し、心理アセスメントにおいて、描画テストを活用する意義を検討したいと思います。

NK⑤:描画による心理面接の基礎

講師:松瀬喜治(佛教大学)
日時:2025年9月20日(土)15時50分~16時50分

【概要】
描画による心理面接とは、描画を心理療法として用いることであり、一般には描画療法のことをいう。描画療法の意義に関して、高橋(1993,2018)を参考に論じていきたい。①描くこと自体がもっている治癒力、②カタルシス作用、③脱感作、④自己洞察の契機、⑤成長への潜在能力の開発、⑥セラピスト、クライエントの関係性の強化、⑦描画後の対話の重要性。

ワークショップ

W1:HTPPテスト

講師:高橋依子(大阪樟蔭女子大学)
日時:2025年9月20日(土)10時~12時30分

【概要】
描画テストは言葉で表現できない心の内面も理解できるので、人のパーソナリティを理解して必要な援助を行うために、心理臨床場面でよく用いられる。描画テストの中に、家、木、人を課題として、多面的に人を理解しようとするHTPPテストがある。4枚の描画から、クライエントの適応水準、精神的成熟度、情緒の安定度、自己認知、対人関係などをどのように捉えていくかについて、標準的な実施法と基礎的な解釈法を解説したい。

W2:教育現場でできる非言語的アプローチ~アート・アズ・セラピー~

講師:栗本美百合(公立学校スクールカウンセラー)
日時:2025年9月20日(土)10時~12時30分

【概要】
教育現場(小・中・高)で20年間、スクールカウンセラーを実践してきたことから、非言語的なアプローチは言語的なアプローチと密接にかかわっていること、むしろ言語の母体となる基盤を支えていると実感している。カウンセリングは言語的なものと考えがちであり、相手の内面を言語化することを急ぎがちになるが、むしろ非言語的なアプローチによって、情緒的な言語がはぐくまれることについて実際の創作体験と事例を通して、参加者の方に伝えていきたい。

W3:精神分析と描画

講師:牧瀬英幹(中部大学)
日時:2025年9月20日(土)10時~12時30分

【概要】
臨床描画には主体と「もの」との関係が表現されます。そのような関係を、描画を「見る」だけでなく「きく」ことを通して浮かび上がらせ、Cl-治療者間の転移関係のもとにその再構成を促すことは、治療的に重要な意義があります。本ワークショップでは、「クライン派の描画療法」、ウィニコットの「スクィグル」、「描画連想法」などを学びながら、その意義について考えてみたいと思います。

W4:ETC理論に基づくアート素材の体験と理解

講師:市川雅美(表現アートスタジオいろいろの木・ETC研究会)
日時:2025年9月20日(土)10時~12時30分

【概要】
アートセラピーにおけるアート素材の選択の理解には、セラピストの多層的な視点が求められます。本ワークショップでは、Expressive Therapies Continuum(ETC)の理論をもとに、アート素材の特性が創作過程にどのように作用するかを学んでいきます。また、実際に異なるアート素材を体験し、ETCの視点を活用したアートセラピーの実践方法をみなさんと一緒に探っていきたいと思います。

W5:バウムテスト

講師:奥田亮(大阪樟蔭女子大学)
日時:2025年9月20日(土)14時~16時30分

【概要】
バウムテストの解釈に役立つ本は多くありますが、描かれた木の絵に対して、あるいは描き手の心のありように思いを巡らすような、実感を伴った解釈を行うことは、沢山の本を読んでみてもなかなか難しいのではないでしょうか。本ワークショップでは、バウムテストにおいて描き手に起こる体験・感覚を考えるための視点を提供し、バウムの解釈を考えていく際に、体験をなぞることに基づく確からしさと深みがもたらされるよう、ワークとレクチャーを行う予定です。

W6:神経発達障害児者への臨床描画の活用-「自分らしく」主体的な日常生活の支援を中心に

講師:木谷秀勝(山口大学名誉教授)
日時:2025年9月20日(土)14時~16時30分

【概要】
神経発達障害児者に臨床描画を活用する場合、当事者が語る「豊かだからこそ、傷つきやすい心の世界」と「日常生活全般に困っている」姿を理解することを大切にしています。そこで、今回のワークショップでは、「自分らしさ」と「主体性」をキーワードに、多くの神経発達障害児者(特に、自閉症スペクトラム障害)の事例を紹介しながら検討を深めます。

W7:「臨床描画研究」に向けて研究法を考える

講師:横田正夫(原病院)
日時:2025年9月20日(土)14時~16時30分

【概要】
「臨床描画研究」の内容は主に大会のシンポジウム等の特集と、会員の投稿論文から成り立っている。しかし投稿論文は必ずしも多いわけではない。その背景には論文化するための研究の方法論についての戸惑いがあるのではないかと思われる。描画は臨床的に使いやすいが、その後研究の俎上に載せるにはどうしたらよいのかと戸惑う。そこで描画を使った研究と描画を対象にした研究に分けて「臨床描画研究」に向けた研究の方法論を考えてみたい。

W8:グリーフケアとアート ‐コミュニティが紡ぐつながりと再生‐

講師:倉石聡子(アップコンセプト・スタジオ)
日時:2025年9月20日(土)14時~16時30分

【概要】
悲嘆や喪失を抱えた時、創造的アプローチは人々のつながりを再構築し、再生と希望を育む支えとなります。 本発表では、個人やグループによるアート制作を通じて、アートを介した心のケアや人とのつながり、シンボルとして可視化される意義を考察します。また、具体的な実践例を基に、アートがどのように癒しをもたらし、参加者それぞれの現場でどのように応用できるのか、その可能性を探索していきます。

茶話会 16:45~18:00

簡単なお菓子と飲み物をご用意しております。会員同士あるいはワークショップや研修会の先生がたと交流する機会ですので,ぜひご参加ください(1000円)。会場の定員を満たした場合は,参加をお断りする場合があります。

2)研究発表・事例検討

9月21日(日)9:20~11:50

研究発表(口頭発表)は,1演題30分(発表20分,討論10分)。
事例検討では,助言者のもと,1演題60分(発表40分,討論20分)。

3)総会

4)特別講演(通訳付き)

9月21日(日)13:50~16:50

特別講演 13:50~15:50

米国の投映描画法の現状-描画の理解と活用におけるアートセラピーの役割-

講師:リサ D. ハインツ(米国・カルフォルニアドミニカン大学)

質疑とフロアとの対話 16:00~16:50

司会・進行:伊東留美(南山大学)・市来百合子(奈良教育大学)
通訳:山崎和佳子(お茶の水女子大学/iEFT Japan)

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