大会長 小澤 純一
このたび、第41回東海北陸理学療法学術大会を2025年10月25・26日にわたり、『The Beginning—ポスト2025 理学療法学の実装—』をテーマに福井市のAOSSA(アオッサ)とハピリンを会場として開催する運びとなりました。また、東海北陸ブロックだけでなく、全国の理学療法士の方にもご参加して頂くため、現地開催後にオンデマンド配信も実施いたします。
2025年以降は団塊の世代がすべて75歳以上になり、いよいよ構築が進められてきた医療機能の分化・連携や地域包括ケアシステムの真価が問われることになります。今後は、2040年の高齢者人口のピークと生産年齢人口の急減という局面に向けて、私たち理学療法士の力量が問われることとなります。
エビデンスに基づく医療(EBM)の概念が導入され、エビデンスに基づく介入(EBI)が診療ガイドライン等で提示されるようになりましたが、実際の臨床場面では適切な理学療法が患者に提供されないことは珍しくありません。このように、質の高いエビデンスが存在しても、医療者の臨床行動(プラクティス)に反映されない状況を「エビデンス・プラクティス・ギャップ」とも表現するようです。私たち理学療法士に、今求められるのは、実臨床での理学療法学の実装と考えます。
かつて恐竜は、温暖な気候を背景に大型化して繁栄を謳歌しました。しかし、急激な気候変動という外的環境の変化に適応できずに絶滅の道を辿ります。理学療法も2度の世界大戦とリハビリテーション理念、そして高齢化の波に乗り拡大してきました。そして、人口構造の激烈な変化により、外的環境は大きく変わろうとしています。私達の暮らす地域社会、そして理学療法が、過去この福井の地でも栄華を極めた大型恐竜と同じ道をたどらないために、ポスト2025幕開け(The beginning)の年に開催される本学術大会において、議論し考える機会となればと切望いたします。福井県理学療法士会一同、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
2024年11月吉日